2017年8月10日木曜日

甘い休日……日本での夏休み

中禅寺湖畔にある、旧イタリア大使別荘にて

残暑お見舞い申し上げます。
しとしとと雨が降るベルサイユより、久々のブログ書きです。

6月末にフランスを発ち、5週間余りを、沖縄、横浜、そして東京で過ごし、先日こちらに戻ってきました。

帰省中は、本当に多くの友・家族に助けられ、そのお陰で楽しく、元気に過ごすことができました。
今までも、もちろん、皆の好意に甘えてきたのですが、今回は特に「甘えた」感がある。

このことについても後ほど書きたいと思っていますが、果たしてそこに辿り着くことができるでしょうか。

とりあえず、旅の徒然を書き始めるとします。


夢のサマーハウス① 旧イタリア大使別荘

毎夏の日本滞在。私としては友達、家族と会って、一杯おしゃべりしたい、とそれだけなのですが、外国人の夫や子猿たちと一緒ですから、そうは行きません。

まだまだ文化度低い子猿たちと、夫そして私にとっても興味深いアクティビティーを考えなくてはならない。
そうなると答は、寺院訪問ではなく、日本の自然、となります。

日本の自然は、本当にスゴイ。亜熱帯から亜寒帯まで多様性に富み、海へ山へと、国土が小さいがゆえにアクセスも可能だし、日本列島はバラエティに富む極上チョコレートの詰め合わせがごとし、です。


沖縄の海は何故だか優しさを感じる。
今回の旅では、アラカルトさんに良いチケットを取ってもらったので、沖縄本島と西表島両方に寄ることができました。本島は初めて、西表島は2年ぶりです。

本島ではグスクと平和祈念公園。
戦没者の名が刻まれた礎の果てしなさに、胸を痛め、
西表では星砂、イダ、パナリの浜辺に出掛け、毎日シュノーケリングです。

西表島って、地上の楽園だと思う。
海に顔を浸ければ竜宮城が広がっているし、深緑のマングローブの森の中を船で進めば、地球の胎内にいるようなぬくもりを感じます。

こんな西表島の優しい自然に、パリ出発までは職場のゴタゴタで疲労困憊していた夫が、二日目辺りから子供のような笑顔を見せるようになり、私も嬉しくなりました。
頑張って来て甲斐があったというものです。


エフェクトなしでこのブルー!

……一方で、シュノーケリング三昧の男子3人に付き合っていた西表での最終日には、体力の限界を感じたりもしました。
アクティビティ型の旅、いつまで出来るかしら。そもそも、子猿たちはいつまで親と一緒の旅を楽しんでくれるのかしら。
これらの旅が、子猿たちの心の糧となりますように。これらの思い出がいつまでも家族を繋いでくれますように。


夢のサマーハウス② 三渓園
のあと横浜に移動し、昨年まで2年ほど家族と過ごした本牧界隈にAirBnBしました。
滞在中は、わが愛しの三渓園や山頂公園に散歩したり、大好きな友達に囲まれて、まるでまだここに住んでいるような、一年のフランスでの暮らしは幻だったような、不思議な感覚でした。

このあと旅の後半に東京に移ってからも、何回か横浜に戻ることがあり、根岸線の窓から、馴染み深い街並みが見えてくると、ほっとしている自分がいました。子猿たちも、「やっぱり何かいいよね、横浜」などと一丁前なことを言っていましたっけ。


アサヒビール本社のカフェから撮影。隅田川
このように、浜っこのふりをしている私なのですが、このあと、横浜を発ち、東京に着いたら、あっさり素性が割れてしまうことに……。
兄猿に、「ママは東京に来ると、文句言う割には何か生き生きしている」と言われたのです。
「生き生き」かどうかは分からないけれど、まあ、勝手知ったる街ではありますし、人ごみの中で泳ぐことも慣れていますからね。

でも東京を、好きかと聞かれれば、答えに詰まる。
帰って来たな、という気はする。
でも、帰って来た~♡ではなくて、「あ~あ、帰って来ちゃった」という方が正しい。
東京駅丸の内も、随分工事が進んでいました。
こうやってみると、模型みたいな街だと思いませんか。
2年間の横浜時代には、用事があるときだけ「上京」し、用が済むと寄り道せずに下り電車に乗って帰っていました。家族にももっと東京を見せてあげるべきだと思いつつも、中々そういう気にならなかった。


お江戸でござる! @日光江戸村
ところが、今回は5週のうち、後半2週間余りを東京の友人宅に滞在させて頂いたので、折角の機会だとばかりに、毎日電車に乗っては、やれ浅草だ、臨海公園だ、今日は未来館だ、とアクティビティを詰め、家族に東京を案内しました。


パンダの赤ちゃんの名前の募集にも応募しました!
上野のパンダはやっぱり可愛い。
横浜時代に怠けていた2年分の東京見物を一気にやった、東京をお腹いっぱい食べた、食べさせたって感あり、です。

お腹いっぱい!
数寄屋橋阪急跡に建つ、
高級感漂うモザイクビル内の回転寿司。
味もお値段もナイスでしたよ~。
教えてくれたYさん、メルシー!
そうこうしているうちに、東京への愛着も湧いてきて、
中でも銀座。
私は小学校の終わりから遠距離通学をしていて、通学路には銀座があるものだから、年齢不相応にも、しょっちゅう途中下車して「銀ぶら」していたのです。目的地は文房具の伊東屋や外国雑貨のソニプラという、可愛いもの。あの頃は、どの地下鉄出口がどこに近いかなど、全部把握していました。
久しぶりに伊東屋に行くと、あの頃のことが昨日のことのように思い出され、だけど、もう30年、いやそれ以上経っているという、四谷怪談より怖い事実。
この、時だけが経っていく現象、何とかならないものでしょうか。


久々の歩行者天国。
道の真ん中歩くのって不思議な感じ。
……やっぱり長くなっちゃいましたね。でも最後にこれだけ。
冒頭にも書いたように、今回の帰省では、甘えることを学んだことが何よりもの成果のように感じています。
これを見て、「あれ~?、いつも甘えているじゃん」という家族、友人らの声が聞こえてきそう。
そうなんだけど、私的には、いつも、甘えちゃいけない、と自制してきたところがある。人様に迷惑を掛けない。図々しくあるな、って。
それでも結果として甘えてしまったり、迷惑を掛けてしまったりしてきたんだけどね。

いや~甘えた甘えた!
でも、今回の旅では、好意に対して、片意地を張らずに甘えたらいいじゃないか、寛大なお気持ちを、謹んで受けたら良いじゃないか。変なプライドは捨てて、「自分で出来る」というおごった考えも捨てて、助けてあげようという人の好意を有難く受け取る。それがいいのではないか、と、ふと、そういうふうに思うようになったのです。

お返しはできるのかな。そういう機会があったらいいんだけど。
感謝の気持ちを伝える、とりあえずはそこから始めよう。
そして、自分が受けた好意をどんどん他の人にバトンタッチしよう、そういう人を目指そう。
みんな、本当に本当に、ありがとう。色々と助けられました。ありがとう!


元町洋館に咲くルリマツリ。
今年も会えた、この奇跡!
……長々と書いている間に、雨も小休止となったようです。
パリ近郊の方たちへ、明日は晴れますように。
日本の皆様へ、明日は気温が下がりますように。
素敵な葉月をお過ごし下さいませ。
またそのうち会いましょう。