2017年6月27日火曜日

書くこと、そして伝えるということ

朝食時に、ふと眺めてみたら、何だか美しい光景。
義理の両親の別荘にて
暑中お見舞い申しあげます。
前回のブログ更新より一か月ほど経ってしまいました。
この一か月の間は、なんと目まぐるしく天気が変わったことか。四季が全て通り過ぎた感あり、のパリ近郊、ベルサイユです。

ある日は、晴れていたかと思えば、突然ビー玉に近い大きさの雹(ひょう)がバラバラという音を立てて天から落ちて来る。
久しぶりに青空、と思っていると、気温がぐんぐん伸び、38度という高温の一週間もありました。こちらの38度は、湿気のシールドなしなので日差しがきつく、日向にいると、オーブンでグリルされるかのようでした。

こんな劇的な天候でしたが、私は買い物+所用以外は家にいたので、窓から各シーンを眺める、という傍観者でいられました。



というのは、書き物にはまってしまい、引きこもり生活を送っていたのです。

ずいぶん前に、ちょっとしたインスピレーションから、長編小説を書き始めたのはよいのですが、ちゃんとプロットを考えずに書き始めたので、この話はどこに行くのだろう、書いている本人が首かしげている、という、何とも頼りない足取りで走り出しました。

それが5月のある日に、なんとか目的地に辿り着いたのです。真面目に長距離のトレーニングしてない短距離・中距離ランナーだったのに、気づいたら42キロ走っていた、そんな感じでした。

走り終えてしばらくは、その達成感に酔いしれていたのですが、そのあとの見直しを始めたら、まあ、ひどいこと! まとまりがない、だらだら続く、肝心なことが伝えられていない、強調すべきところが肩透かし……。
がっかりもいいところです。自分の力不足を痛感しましたわ。



でも、私はあきらめないのです。
自分の才能の無さを改めて知った今回なのですが、それでも、諦めよう、もうやめよう、という気にならない。
他のことに関しては、ある所まで行って、到達しないとすんなり諦める私でしたが、書くことに関してはまだそういう気持ちにならないのです。
よっぽど好きなんだな、と思います。
書くことも好きですが、読むのも好き。しゃべるのも聴くのも好き。日本語大好きなのです。
日本語の文字すら好き。
特に明朝体のフォントが紙に刷られたのが好きです。
そんな先日、心の片隅で応援していた方が亡くなられたとのニュース。朝、訃報を知ったとき、心の中で、きれいな花の花弁がぱらりと落ちたような気がしました。
心より、ご冥福をお祈りしております。

日本を離れて長く、歌舞伎音痴の私ですので、実は彼女がどんな方なのかは知りません。ある時、ニュースヘッドラインに彼女のブログのことが挙がっていて、ふと覗いてみたっとき、「ブログを書くこと、ブログの写真を撮ることが励みなんだ」と記してあり、それを見て、
「そうなの、そうなのよ。」
と急に、そして勝手に親近感を持ち始めました。そこには、ブログのおかげで「自分で舵取りできることを見つけた」ともあり、それも「うんうん」と思いながら読みました。

ブログ……本当にそうだと思います。
自己表現っていろいろな形があるのでしょうが、私の場合は、書くこと。それを知ったのは、ブログを書くようになってからでした。
私の場合は無名ですから、影響度などは皆無なのですが、こうしてブログで自分が思ったことを発信することは、いつの頃からか、私の中でとても大切なことになりました。

ブログは日記と異なり、自分の気持ちを伝える、ということが目的です。
自分で表現したものを「出版」できるところも素晴らしい。まさに自分で舵取りです。

自分の気持ちを読む人が理解できる文章、写真で表す。思っているより難しい。時間も掛かります。
でも、なんでそうなのかわからないけれど、言葉を探しながら書いていると、満たされてくるものがあり、書き終わると、気持ちがとてもすっきりしている。上手く自分の気持ちを書けたときは誇らしく、そうでないときな、何度も手直しする。それが時間の無駄とは感じない。

彼女の話に戻ると、BBCへの寄稿では、「私はかわいそうではない。沢山愛し、愛された素晴らしい人生を歩んだから」とあったと聞いています。
彼女のブログの笑顔の写真、そして悲しみと喜びが綴られた文章を読んでいると、本当に、かわいそうどころか、
「うわ、この人、すごく濃く生きている!」
と、その生き様が羨ましくさえありました。

病気でもこうやって充実して生きることができるんだ、と教えてもらった。いつかそういう日が来たときは、彼女のことを思い出して、勇敢に生きよう、と思います。
ありがとう、ありがとう、ありがとう……感謝の気持ちが天に届きますように。


日本にいる間は義母と別荘で過ごす予定のマエストロ。
離れるのがツライツライ、と子猿たちと今から憂いています。
さて、まもなく日本に向けて出発します。
相変わらず子猿たち中心の帰省ですので、母猿の自由時間は限られていますが、多くの方にお目にかかれますよう、楽しみにしております。

どうぞ暑気あてされませぬよう、ご自愛くださいませ。
次回のブログ更新は日本から行きます!

2017年6月4日日曜日

初夏のサイン


画像に含まれている可能性があるもの:植物、木、草、屋外、自然
前世は熊だったのではないか、と思うほど森が好き。
義理両親宅の、森へ続く道。
私たちが結婚した頃に義父が植えた樫が育っています。

皆様、いかがお過ごしでしょうか。
こちらヴェルサイユは、まさに薫風の5月となり、初夏を満喫中です…と書き出したところで、すっかり筆が止まっていました。

5月は、フランスでも、日本のゴールデンウィークに負けないほど祝日が続き、主婦は中々自分の時間が取れません。そんな中、色々書き物のアイデアが浮かび、そっちに没頭していたら、6月になっていました。


書き物は、自分の中で完結したものもあったりで、フルマラソンを走り終えたような心境です。ゴールできると思っていなかったけど、やってみたら出来た!

さて、本題、初夏。

今朝のマルシェでの買い物、庭のバラなど、フランスの初夏を知らせる使者たちをフォトログで行きます。

お店に苺が登場したのは4月の初めでしたが、そこで買うのは素人(買ったけど)。
フランス産の苺が美味しくなるのは五月後半から。500g、2ユーロでした


これはモロッコ産のメロンでした。2つで4ユーロ弱。
実は存在を忘れていて、買って1週間は経っていた。
でも思い出して良かった!

素晴らしい果肉でございました。
巨大な杏、フランス産 1キロ、4ユーロ弱
白桃、白ネクタリンはスペイン産、1キロ、3ユーロ弱
あと、これは少し前に出た新じゃが。
小さくて、しゃきしゃきしてて、でも正直、甘味が少ないのでそんなに好きでもない。
が、フランス人はこれがごひいきなので、これまたフランス人が好きな
バターソテーにしました。


見よ、美しきは初夏の大蒜。
芯に芽が全く出てなくて、甘味すらあるの!
義母のポタジェにも、紫の葱坊主のようなきれいな花が咲いていました
これぞトマト。アナナスとクリミアの黒い♡とかいう品種。
一キロ3ユーロ弱というのに興奮して、産地を確認し忘れました。

花より団子ということで後回しにしましたが、
昨年8月より借りているこの家、
春になり、薔薇の木が2本あることを知りました。

切り薔薇のようなLong stemmed rosesというわけにはいかないのですが、
曲があるので、ただ切って、花瓶に挿すだけで愛らしく収まる。
黄色の方が香り高かったです。
ということで、私も、家族も元気にやっております。
来月は帰省もするし、ああ、胸は高鳴るばかり。


そして、わが家の当主、マエストロ君。
最近は朝3時半に起き、「遊べ、そうでければ、外に出せ」
と、要求するので、母猿はむかついています。

皆様もどうぞ爽やかな初夏(海外組)/紫陽花美しい梅雨(チーム・ジャパン)を、お過ごし下さい。