2015年7月30日木曜日

本のマーケティングについて




皆様、お暑い日が続きますねぇ。いかがお過ごしでしょうか。
夏ばて、熱中症にどうぞお気を付け下さいね。

こちらは相変わらず子猿たちの夏休みにどっぷり付き合っています。
そんな中、先週・今週は朝毎日スイミング教室に放り込んだので、少しだけ自分時間を持つことができ、久しぶりに、下手な横好き、創作小説書きに取り組んでいます。

私が「小説家になりたい!」という壮大な夢を持つに至ったきっかけについてはお話しましたっけ。
それは、私のサザン好きに繋がっています。

サザンの活動休止のニュースが流れたのは、2008年のこと。7年前のことです。当時はカタールに住んでいました。
このニュースに、「そういや学生の頃はコンサートに行ったよなぁ」と思い出し、ユーチューブを開いてみて、色々と動画を見て、再度大ファンになったのです

そのあと、サザン関連のものは何でも知りたい、とサーチしてみると、何やらメンバーたちの著書もあるらしい。その中で入手できたのが、ハラ坊の「娘心にブルースを」というエッセーでした。一時帰国で帰ったパリのブックオフで買いましたっけ。

娘心……は、フツーな、どこにでもいる女の子だったハラ坊の話です。文章も難しくない。美しい文章でない。取り立てて学ぶこともなかったと思う。でも、そんなフツーな話でも、読んだ後、気持ちもぽかぽかするし、ポジティブなものをもたらしてくれていました。

その頃は本といえば、完成度高いものを読んでいただけに、「こういう本もアリなんだ」という、変な感動がありました。当時カタールでは、新書は異常に高く、手軽に入手できる本はシェークスピアやらドストエフスキーなどのクラシックでしたからね。

また当時は、姉に誘われて共同ブログを書きめ、それがとても楽しかったので、気づくと創作小説を書き始めていた時期に重なります。この処女小説は、誰かに読んでもらおう、出版しよう、などとは思っていませんでした。取りあえず書いてみて、上手く書けたらブログに載せてもいいし、載せなくてもいいし、ととにかく深く考えていませんでした。

でも、ハラ坊の本を読んだとき、ふと思ったのです。
私がハラ坊の本を読んで、小さな憩いの時間を持ったように、小さな幸せを感じたように、私の素朴な創作小説も、どこかの誰かの心をちょっとだけ温かくすることがあるかも、って。

もちろん、この本が存在するのは、ハラ坊が著名人なこと、というのがキードライブなのは明瞭なこと。たとえ私が同じクオリティーの本を書いても誰も手に取らないでしょう。

でも、未来は今までとは違うのでは?とも思ったのです。
インターネットや新技術でもっとパーソナライズされたマーケティングが可能になって来ている今、、今後、超ニッチ、超微小なるマーケットにも、求められているモノ・サービスを供給できるになるのではないか。

例えば、「本読みたいけれど、何読んでいいか分からない。しょうがないから、昔読んだことある林真理子でも観てみるか」というのが私の周りでよく聞くケースだったのですが、
そういう人たちのニーズを分析して、その中で、私の小説を好きそうな人を探しだし、メールなり、広告なりで私の本という存在を知らせることができるように、そのうちなるのではないか。
と、考えて、大胆にも小説家を夢みるようになったのです。

サザンのおかげでユーチューブを知り、姉のおかげでブログを書くようになり、その後フェースブックもツィッターもやるようになり、自らSNSを主催するようにもなり、と、文明の利器、いやコミュニケーションの利器を色々楽しむようになりました。それらを楽しみながら、どうやったら、この「特定のセグメントに到達する」ことができるか、を頭の片隅で考えてきました。

電子書籍が未来の道、と思って、自分でも電子書籍を読んでみたけれど、どうも違う。
まぁ、またカタールのようなところに住み、もうどうしようもなければ電子ブックで小説を読むこともあるだろうけれど、リラックスタイムにはやっぱり紙の本がしっくりきます。

また、電子書籍の市場を見ると、ハウツー本と漫画が主流のようですね。実際のところ、売れているのでしょうか。 
ご存じの方いらっしゃったら是非教えて下さいませ。

現代のマーケティングを知りたいのなら、「SEO対策」がキー、と言われ、その分野を覗いてみたこともあります。
……でも、「何となく、小説でも読みたいけど…」という気分の時って、「よし、サーチするか!」とキーワードを入れてあれでもない、これでもない、って行動を起こす人は少ないよね?
もっと受け身で本との出会いを待っている、そんな感じじゃない?
みんな毎日の生活に忙しくて、自分の小さな欲求のためにサーチするような時間も体力もないもんね。
そもそもキーワードって何よ。「癒やし」? 「人生」? 創作小説よりも、占いサイトにヒットしそうですよね。

作者である私自身が有名になり、私に興味を持って貰って、本を読んで貰う、というのはどうか、と思ったこともありますが、
そもそもそう簡単に有名になんてなれるものじゃない。
そして私、目立つことに抵抗があります。
また、エッセーではなく、創作小説を読んで貰いたいと思っているのに、作者が前に出てしまうのも、読者のイマジネーションの邪魔になると思うし。

文学賞を取る、というのが一番確実?
以前だったら、私のような無名の物書きが世に出るには、これしか手段がないでしょう、ってことでしょうが、今の時代はもっと進化しているはず。
巧妙にマーケティングできれば、
ニッチなニーズをつかむことができれば、
たとえ文学賞に当選するレベルの小説でなくても、、読者が求めているものにドンピシャリであれば、それは十分良質の出会いだと思うのです。

どうやったら、「おとなの人で、まるでマイストーリーのような、共鳴できる小さなドラマを読みたい」と思っている人たちにアピールできるのだろう。答が見えそうでいて、でも見えない。

何かよいアイデアありませんか? 
ご興味ある方、一緒に本のマーケティングについてスタディグループを作りませんか?












2015年7月15日水曜日

インターナショナルスクール便り⑤ これでいいのか、と思うところ

みなさま、暑中お見舞い申し上げます。

日本の学校は今週末より夏休みですが、わが子猿たちが夏休みに突入してから既に1カ月が経っています。

子猿が通うインターナショナルスクールの夏休みは、6月上旬から8月下旬まで、実に2カ月半です。日本の学校は40日、横浜市の小学校は30日らしいですから、それに比べると、やたら長いです。

フランスの学校も似たようなもので、7月頭から8月末までほぼ2カ月夏休み。
バカンスの国フランスでも、大人は2カ月休みを取ることはできず、さらに多くが共稼ぎ家庭ですので、長い夏休みの間、行政や各社が主催するキャンプ・合宿や、田舎に住む祖父母の元に子供を送り込んだりしているケースをよくみていました。7月8月はパリから子供が消える理由です。
在フランス邦人の多くは、7月頭に日本に帰り、子供を地元の幼稚園・小学校に2週間ほど「体験入学」をさせているのかな。私もそのようにした年もありました。

インターナショナルスクールのクラスメートで、海外から来ている人はほぼ全員、本国にて夏休みを過ごしているようです。日本の暑い夏が人気薄いの、分かる気はしますよね。

わが家は、と言うと、フランスに帰省せず、体験入学もさせず、
自家製サマースクール・ア・ラ・ジャポネーズを体験させることにしました。
すなわち習い事攻撃です。
日本人の先生のお教室に行くことで、日本語と習い事の習得の「一石二鳥」を狙い(二兎を追う者は一兎をも得ず、というのもありますね、はい……)、また、常々感じていたインターナショナルスクールに欠けているところを、せめて夏休みの間に補おう、というのも動機の一つでした。
この夏はお絵かき教室にも通わせています。
これは何年か前に兄猿が描いた彼のベストフレンド像
……そうです、いよいよ本題です。

例えばそろばん教室。
そろばんの必要性を感じたのは、小2を修了したちび猿が、まだ指を折りながら簡単な計算をしている姿を目撃してからです。
ふと、不安になって、「かけ算は知っているよね?」と聞くと、「まだ」という。「フランスで、少しやったから少しだけ分かるけれど」
……そうです、フランスの小1のときに、すでに取りかかっていた九九を、インターでは一年経ってもまだらしいのです。

インターでの算数は、オンラインのプログラムを使ってゲーム感覚で教えたり、ワークシートを使ったり、図形ブロックを使ったり、ときにはグループワークで問題に取り組ませるなど、楽しみながら、算数のコンセプトを習得させているようです。
この「楽しみながら」と「コンセプト重視」と言う点は、とてもいいな、と思います。コンセプトをしっかり理解しているからこそ、創造的な発想が生まれると思うし、大切なことだと思います。

でも!でも、です。
計算、暗算能力っていうのも、それなりに大切ではないの??
脳のストレッチ体操にもなるし。
そして、計算能力って、あれは数こなさないと身につかないものでは?

そこでそろばんです。自分もやったことがないくせに、子猿たちをお教室に放り込んでみました。
いやぁ、素晴らしいです、そろばん。
機械的に計算するだけ、と思ってましたが、概念的でもあるのですね。
あと、珠算何級、というシステムもいいですね。
一つの達成目標になりますものね。

また、そろばん教室では、先生がこまめに注意をして下さります。
「数字の書き方違うよ。はい、もう一度書こう」
「消しゴム、ちゃんと消えてない、もう一度消そう」
「椅子ちゃんと引いて」
「姿勢直そう」
「ゼロの書き方違うね、こう書くの」
……家で私が同様に注意したのなら子猿たちブチ切れでしょうが、教室というコンテキストの中では素直に忠告に従います。

ここら辺の細かいこと、インターナショナルスクールではそんなに言われていないのだと思うのです。少なくとも、直さなくちゃいけない!と子供がプレッシャーに感じるような指導はされていない。その結果、この一年で、子猿たちの字・数字は恐ろしく汚くなりました。誤字もそんなに直っていないし。

学校の方針として、細かいことをチクチク言ってると、子供たちのやる気を削ぐから、今のフェーズでは余り注意しないという方針とのことなのですが、いい加減、「いつまでも放っておいたら悪癖がつくのでは」と気になっていたところ。それを先生からこのように正していただいて、感謝の限りです。
インターでは図工も緩く、写実的なことはしていないよう。
そこで兄猿が考案した「あるもので工作シリーズ」の一つ、
「紙を丸めてセロテープで固める」という彫刻法で作った
「ゴールデン・サッカーボール、メッセージ付き」
大体、インターナショナルスクールは子供に甘すぎると思う。
ポシティブなのは良いけれど、ケジメというか、もう少し厳しくしてもいいところも厳しくしない。「まぁいいじゃないの」っていう……。例えば、音楽鑑賞や月例集会のときなどの無駄口や悪ふざけ、パリの学校だったら即「退場!」レベルですが、それでも先生たちはあまり注意はしないし……。

高校生の先輩たちを見ると、みんなこれでリッパに成長しているようだし、いいのかもしれないけれど、でも何か腑に落ちない。
こんなにゆるーく育てられて大丈夫なのぉ?と老婆心でやきもきするときもある、母猿なのでした。

さて、本州は台風接近中とのこと。猛暑、大雨と色々ですが、どうぞご自愛くださいませ。




2015年7月6日月曜日

地上の楽園、イリオモテ

飛行機の窓からみた富士山
こうしてみるt、まさにThe Blue planet
地球、愛しいですね
既に夏休みに入って久しい子猿たち。
今年はフランスに帰らず、どっぷりと日本しよう、ということで、毎日、自転車に乗ってそろばん教室やらお絵かき教室などに通わせています。
もちろん、子猿たちからは「こんなの、夏休みじゃない!」とブーイングがありましたが、そのたびに、「もうすぐ沖縄に行くからいいでしょ!」と釣ってました。

そのうち、兄猿は、沖縄に行くのが楽しみになってきたようで、「ぼく、沖縄がどんなところか頭の中でイメージしているんだ」と。
自分の知っている浜辺、日本の風景などを組み合わせて映像化しているのでしょうか。
期待に応えられるといいな、と少し不安に思いながら、行ってきました。

目的地は西表島。石垣島まで飛んで、そこからフェリーで45分ほど行ったところです。
もう、そこは期待以上に美しい島でした。
肉眼でも水面から青い魚やちびネモが泳いでいるのが見えるし、
ちょっと顔付けると、青や淡いピンクの珊瑚礁は見えるし、
もうちょっと本格的なシュノーケリングで泳げば、そこは竜宮城か、という美しさ。

これは、空港にあった水槽像。
でも水中はまさにこんな感じでした。
素晴らしいのは海だけではなく、

マングローブの中、カヌーで進むとそこはジャングル。
大きな蝶々が、私たちの前をふわふわと飛びながら消えていく。
こんな自然が日本にあるとは思いもしませんでした。
なんだろ、これ。
ジャングル、あまりに壮大で写真に収まりませんでした!
川下り、蚊を予期していたけれど、意外といないので
それもよかったです。
思えば、結婚するまで、日本国内を旅したことはほとんどなく、日本がこんなに多様な自然や文化があるとは知らずに東京、その他の大都市≒日本、と思っていたようです。
旅をすればするほど、Discover ジャパンです。素晴らしい国土、文化だわ。大切にしなくちゃ。

ということでイリオモテ、
兄猿、「ぼくのイメージよりも、もっと良かった」そう。
夫もあまりにダイナミックな自然に、久々に仕事のことを考えずにのんびりできたよう。
私もです。自然も素晴らしかったけれど、宿もよかったし、人もよかった。皆さん、物静かだけど、親切で……お世話になりました。ありがとうございました。

チビ猿? ご覧のとおり。
ピチピチの魚がごとく跳ね泳いでました!
週末にひんやりする横浜に戻ってきて、ひたすら降る雨を見つめながら、
「まるで、夢みてみたい。本当にイリオモテに行ったの?」
と言う兄猿に同感。
帰ってきて、即、洗濯して、ご飯作ってと、何事もなかったように、日常に戻っちゃって。
タイムスリップしたかのような、不思議な感覚です。


さて、子猿よ、今日からまたそろばん、がんばろうね。あと、夏休みの間に、せめてカタカナ、スラスラ書けるようにしようね(レベル低いでしょ?)。

子猿と一緒に動く夏休みも、余すところあと何年。そう思って、大切に過ごそうと思います。
母猿、また一週間、頑張ります。