2014年8月10日日曜日

嵐の中で想うこと

先週訪れた香川県の津島神社、奥の方にあるのがそれです。
お祭りのときだけ橋が架かるんですって。
台風11号が通過中の日本よりお便りします。
こちら横浜は雨、風とも、今は休憩中のようです。

朝からバケツをひっくり返したような雨や暴風に、タクのフランス人たちは、「おぉ!」とか、「うわぁ」と、興奮しています。NHKの台風ニュースをみている私に、「なんて言ってんの?大丈夫なの?」と通訳を急かしてニュースも落ち着いて見られません。

台風なんてねぇ、日本に育っていれば、そして台風のど真ん中に居なければ、そんなに慌てませんよねぇ。なんてったって、毎年何十号も来るんだし。

それにしても、世界は台風どころでない、不穏な雰囲気が漂ってますね。

ウクライナ問題、ロシアを経済制裁の名の下に、金融だけでなく、欧州は農水産物も輸出しないとか。
おいおい、肝心の武器輸出はどうなのよ。フランスは何としてもロシアに軍艦を納入してお金を受け取りたいらしいけれど、これこそまず止めるべきでしょう。

それは置いといて、この経済制裁というの、第二次世界大戦突入前の日本の状況に似てる気がするのは私だけじゃないはず。
当時の日本は経済ブロックされて孤立し、戦争して事態打破するという最悪の決断をしたと聞いています。
このままではプーチン・ロシアは軍国日本と同じ選択をしてしまうのではないでしょうか。

そしてガザの悲劇。
イスラエルはどうしてしまったのでしょうか。こんなにハマス外の犠牲者を出してしまって……。
このため、欧米では反ユダヤ感情が湧いているそう。
これもまた、第二次世界大戦前を彷彿させる……。
私たち個人が忘れてはならないのは、戦争というのは国家の名を借りた、別の怪物がやっていること。その国民、民族はある意味、無関係だということ。
どうか、恐ろしいことになりませんように。

そして日本。
昨日、大雨の中での長崎平和祈念式典で、被爆者の代表者は、集団自衛権の行使に関して強く批判したそうですね。被爆者、戦争経験者はとにもかくにも、戦うことの悲劇を知っていらっしゃるのでしょう。
海外が長く、日本の政治に疎くなっている私の超素人的な浅薄な考えを述べることを許していただきたいのですが、思うに、安倍総理は、今の日本人は自信喪失している、その根元には戦後の、米国依存、追随体制が国民の士気をさげてしまった。もっと自立性を持たなくては。そのためには、エネルギー自給=原発再開、そして自衛力の強化と考えたのではないでしょうか。そのためには平和憲法を多少いじってもいいだろう、という。

失礼だと思うけれど、これは安直ではないですか。
福島があって、まだそれを収拾できていない現状にて原発再開はありえないと思う。地震国・天災国日本において原発は無理だ、ということがまざまざと見せられたのに、「安全だと思うから」再開など、許されるべきでない。多少時間かかっても代替エネルギーを見つけるしかないと思うのです。その方が、その技術の輸出などの経済効果も高いでしょう、長期的には。

自衛力……。
広島・長崎の惨劇の結果、日本が平和憲法を作ったことほど、人類の進化を象徴することはないと思いませんか? アタックされたら打ち返す、という動物的なリアクションをぐっとこらえた、非常に理性的な決意。アメリカから押し付けられた、という向きもあるでしょうが、それを跳ね除けることなく、今に至ったのは、国民性の高さから来るもの。十分に誇りを持てることだと思うんだけどな。

それをいじってしまったら、こんなきな臭い情勢の中、日本はどこに行くのでしょう。世界はどこに行くのでしょう。
子供たちの幸せを守りたい
結局、そういうことだと思うのです、平和憲法

……なんて、大論弁を述べていたら、こちらでもまた雨脚が強まりました。
横浜に来て初めて焼くローストチキンもこんがり色がついたようですので、ここらで切り上げます。
どうか、台風の被害が最少で済みますように!

どうぞ良い日曜、一週間をお迎えください♪