2013年12月22日日曜日

少年とボールと銀河鉄道

昨日で子猿たちの学校もノエル休みに入りました。
今学期は、結構大変でした。

まずお勉強。
特に兄猿。万年勉強いやいや病の彼、なんでもチャチャチャっといい加減にやって流すのですが、もうそれが限界に来て、ぼろが出始めた。大体「Recopie、書写」という項目で何故こんなに点数が低い? こういう楽勝科目で点数稼ぐものでしょうが。

その他にも今正さないと一生このままになる~、ということが多々あり、夕方は兄猿の勉強のコーチ役で両親共に疲れました。

一方、この少年にもついに友達ができたのはよかった。
その名は「ボール」君。

以前も書いたけれど、兄猿は機微とか、空気読むとかができないタイプです。
基本的には夫に似て、ゴーイング・マイウエイ。でもちょっとだけ母猿の寂しがり屋の血も入っている。

今まで誕生会の招待客などは、母猿のママ友の子供たちなどに来てもらってたけれど、殆どが女の子。
8才過ぎて兄猿も少年臭くなり、男の子の友達も欲しい。でもできない。

「みんな、僕がしたい遊びをしてくれない」といういつもの発言があり、「でも休み時間に一人でいるのはとてもさびしんだ」と、日本語補習校でやった「お手紙」というお話に出てくるガマガエル君のようなセリフも吐いていたこの頃。

そんなある日、ふと思いついて、校庭で使うことが許されているスポンジ製のボールを買ってあげたのです。
これが大成功!

「みんな僕のボールで遊びたくって、いつもいつもみんなと遊んでいるんだ」
とすごーく嬉しそう。
よかったね。

学校にお迎えに行っても、兄弟猿は校庭に居残って遊びたがる。
でも冬至近いパリの夕方6時過ぎです。
真っ暗なんですけど。

ちび猿は如何にもガラの悪そうなガキんコたちと走り回るという意味のない遊びをしています。

兄猿は一人、かつて黄色かったボールを蹴ったり投げたり。
たま~に、誰かがそのボールを蹴り返したり、
二人組が奪い取ったり、
そして帰るときに兄猿に投げ返す。
また、たま~に誰かが5分くらい、兄猿と一緒にボールの蹴り合いなどをして、
お母さんに呼ばれて、帰っていく。

そんなボールを通しての、ささやかな「交流」が兄猿にとっては嬉しくてしょうがないらしい。
また、一人でいてもボールを壁に向かって蹴ったり投げたりしていると夢中になって寂しくないんだ、って。

そんなもんなんだ、男の子って。
単純だなぁ。
でも、さわやかでもある。

********

さて、話変わって、この画像はなあんだ!



すぐに銀河鉄道999とわかった方は相当な松本零士ファンです。

私はヤマトも999も知ってはいたけれど余り好きでなかった派です。
それが、ある方から子猿たちへ、と「さらば宇宙戦艦ヤマト」を貸して頂いたら、兄弟猿、すごいはまり方。

そういえば、銀河鉄道っていうのもあったなぁ、とまずYoutubeで探したら、このクリップに出会いました。



ゴダイゴの歌、懐かしすぎる!!
そしてこの出発のシーン、ロマンあって、素晴らしい!!
と、母猿の方が興奮して、早速DVDを探したら、フランスでも発売されているのですね。即買って、クリスマス待たずに見せちゃった。

ヤマトもそうだけど、すごく科学的にも勉強になる話なのですね。
タイタン(土星の衛星だっけ?)とか、冥王星が寒いのとか、銀河とか、惑星の名前とか位置関係とか。
そして、壮大な設定の中、旅立ちとか、別れとか、命とか、っていうテーマで話が組み立てられていて、子猿たちがどこまで理解しているか怪しいけれど、何かは感じていると思う。

何よりも、空気のない、宇宙の静けさが見事に表現されているのがすごいなぁ、と思いました。




観終わってすぐ、兄弟猿は部屋へ駆け戻り、兄猿はレゴ、プラレールで999を再現。チビ猿は絵で再現。上のプラレールは、999の地球出発シーンを再現したものらしいです。

……旅立ちか。
いつか来るんだろうな、別れのとき。
その時はメーテルのように(図々しいですねぇ)、凛として、そして出来れば笑顔でいたいな。

クリスマス前のエントリーはこれにてオシマイだと思います。
みなさま、どうぞ素敵な聖なる夜をお過ごしください。
Joyeux Noel♪

2013年12月19日木曜日

ノエル、ワタシ・スタイル

なんのこっちゃ、と思われそうなタイトルですが、先日、某サイトに寄稿している「伯爵夫人のマナーブック」で、「ノエル、『コンテス・スタイル』」というのを書いたので、それを文字ってみました。

昨夜は、親しい友人ら4人を招いて、子猿も一緒のディナーを催しました。
子猿たちの提案で、メインは手巻き寿司です。
朝から、散らかったものを全部「押入れ」と言う名の我が寝室に押し込んで、掃除、料理でバタバタ。
でもお客様っていいですね、今朝は家がいつになくきれいなのこと!
お、そうだ、モップがけしなくては。
フランス人の方に靴脱げとは言えない私なのです。

Anyway、そんなバタバタ準備の昨日をフォトログで行きま~す。
まずテーブル・セッティング。
花でもあればなぁ、と思っていたら
このあとお客様にチューリップを頂きました。Yuppi♪
アペリティフのアテはこの高級チップスと「京子」で買ったピッカラ
一度やってみたかったヴェリーニ
(っていうんでしょ?こういうガラスに入っているの)
義母のポタジェから採れたニンジンの冷製とイカのサラダ・韓国風
ニンジンは、鶏ガラスープのジェラチン質で煮こごり風になりました
私はおいしいと思ったけれど、イマイチ反応が鈍かったので
悔しいからアップで載せます。
思うに、ごま油ってフランス人に受けが悪い?
それとも私の周りだけ?
お寿司が苦手な人もいるかな。
鶏肉をとんかつソースとニンニク醤油+蜂蜜で漬け込んだものを
巻いてみた

上の巻物に入れたのはカイワレときゅうりと
この緑色の大根です。京子のビオ野菜でみつけました。
瑞々しくって美味しかったこと!

ピカールで買った冷凍ロブスター、って書いてあるけれど、このチューブの中、
どうなっているんだろう、思いのほか安いしカニカマが詰まっていたりして、と思ったら……
こんなにちゃんとしたロブスターちゃんが出てきました
でも、食べるところが少ないのね。
エビも加えてアボカド・サラダ
これを手巻きにするとめちゃウマ
チョコレートタルトは、いつも残ると飽きるので、ホワイトチョコとブラックチョコにしました。
ホワイトは子猿用と思っていたら大人にも喜ばれたのが意外!ちょっとキャラメルっぽい味でした。
これしか残らなかった! 
これは成功の証?
このほかに、焼いたシャケのほぐしたの、卵焼き、エビフライ、マグロのレモンマリネ、デザートにはフルーツサラダもと、作った作った。
北海水産のエビフライ、フランス人に人気なのは知ってたけれど、今回もそう。
シックな男女が子猿たちのように、エビフライ巻を作ってました。
こうしてエビフライ巻は、お寿司の国際市場でスタンダード化されるのでしょう。

和やかなひと時が過ごせたし、こういう風に自由に料理を考えて作るのは楽しいし、今夜は余りもののシャンパンもポイヤックもあるし(うっしっし)、良かったよかった。

これを持ってして、ノエルまでの大イベントは終了。
今日はのんびりするぞ!(と幻想に終わることを知ってるくせに、言ってみる)

東京も雪が降ったとか。
どうぞお風邪など召しませぬよう、ご自愛くださいませ♪

2013年12月11日水曜日

子供のケンカ

唐突ですが、子育てって難しいときがありますね。

今兄猿は8才半。

フランスでは、小学校3年生で、まだまだ子供、と思っていたけれど、昨夜、PTAが主催するディナーに出席し、他の保護者の方の話を聞いていると、既にに彼の人生は第2フェーズに入っているんだな、と感じました。
PTAの毎年恒例ディナー
Florence Vyskocさんデザインの招待状です
場所は子供たちの学校の食堂なのです
今までは我が家のルール、価値観で生きていればよかった、親に守られていた。でも、実は少しずつ現実に晒されていて、例えば、勉強は理解しているだけではだめ。テストの点数が高ければいい、そして点数が足りなかったら中学進学の際肩たたきされる、といったシビアで、ねじれた現実が脅威としてそこにある。

「今からそういう現実を自覚させる必要がある。うちの子達はその準備が足りなくて、子供だからって自由にさせていたら、長男は競争に耐えられなくて、次男は、社会の枠が窮屈すぎて、この学校からドロップアウトした。3人目? 今中一だけど、上2人の失敗をみて学んだようで、とても順調。女の子は賢いね」
と、隣席のムッシュー。
うちの子猿たちは男子です、どうしよう。
「この世は競争、競争、競争。勝者のみがサバイブできるという世知がない世の中。でもそれが現実だから、子供もそれに対応できるように育てるしかない」
とかなり悲観的な方でした。

他の人と比べて、という競争ではなく、自分自身の掲げた目標との競争、ほら「己に克つ」ってやつ、そういうのじゃダメなのかしら。他の人との競争競争というのは安まるものがなくて辛い人生だと思うなぁ。

前置き長くなりましたが、そろそろ本題に。

昨夜のディナーで、ある方と話していると電話が入って、ちょっと中断。電話のあと、その方がいうのには、お子さんのお友達のお母さんからの苦情の電話だったそう。その方のお嬢さんが電話かけた方のお嬢さんを仲間外れにしているっていう。
うちの兄猿と同じ8才児の話です。聞くところによると、フランスの女の子社会はエグイようですよ。グループ制度、仲間外れなど日常茶飯事らしい。
通話を漏れ聞いたところでは、「被告」のお母さんは帰ってから子供の言い分を聞く、と繰り返し、「ごめんなさい」の一言は聞こえませんでした。片方の言い分しか聞いていないから詫びる必要はないけれど、私だったらついつい、ごめんなさい、と言ってしまいそう。
ある意味、あっぱれ!フランスママ。



この「苦情、言う、言われた」というの、こちらフランスではよく聞きます。日本でもそうですか?

苦情、言われた方の反応を見ていると、苦情言ったところで余り効果がないように思われます。
だって、私の知っている限りでは、
「あっちはこんなこと言ってるけど、うちのコ曰く、全然話が違うのよ」
っていうことが多い。所詮子供の証言なんて、主観的だし、嘘が混ざっていることが多いし。

……この嘘についてですが、子供って嘘つきますよ~。
「うちの子は嘘つかない」
と思ってらっしゃる方は用心された方がいいと思います。
昔、6ヵ月ほど保母さんの真似事をしたことがありますが、この子は嘘つかないだろう、と思っている子でも、簡単に嘘つくのです。悪意というよりは、嘘と作り話の境界線があやふやなんだと思う。
嘘は悪いことだけど、子供の頭から締め出すことは不可能なのだと思う。子供にとってはある種の防衛反応なのでしょう。
少しずつ、大きくになるにつれ、嘘つきは泥棒の始まり、ということを教えるしかない、と思います。

私が苦情言うときは、もうその子とうちの猿たちが一緒に遊ぶ必要はない、離れた方がいい、と思っているときのみ、プラス子供同士じゃ解決できなさそうなときのみ、その子の親に、「いや、お宅のお子さんね、言いにくいんだけど、こういうことがあってね」って言うかな。その時はすごーく心臓がドキドキしそう。言われるときも同様だろうな。
そして例えば子供同士の喧嘩などで、明らかに悪質なイジメだと判定できること以外だったら放って置くと思う。

だって親が入ると、治るこじれも治らなくなると思う。もともと喧嘩別れする運命の関係ならそれもしょうがないしさ。

さて昔から風来坊な兄猿。
友達が欲しいけれど、自分のしたいことだけしたい。多くの男の子が好きなボール遊びが好きじゃなくて、でも我慢してボール遊びしてまで、友達と一緒でいるのもヤ、でも一人はさびしい……このジレンマの中過ごしていたと、母猿は見てました。
それが最近になって、折り合いがついたようで、男の子の友達が少しずつできてきた様子。
「今度、スポンジのボール買おっか」
……スポンジのボールなら校庭で遊んでもいいことになっているのです。
「うん!」

少しずつこうやって社会に溶け込んでいってね。
いろんなこと経験して、しなやかに順応していくのだぞ。
今回は年末特大号(ほんとか)
「ノエルの掟」をアップしています。
ノエルで飛ばすコンテスの様子を綴りました。
お時間あるときにでもご笑読くくださいませ♪

2013年12月9日月曜日

日本語カリキュラムのあるラフォンテーヌ校の説明会

ベランダから見えるオトイュの競馬場(西にある)に反映する朝焼け。
光が冬色だと思いませんか?
またまたご無沙汰しております。

パタパタと足音たてて2013年が走り去ろうとしていて、「ちょっと待ってよ!」と後ろから追いかけている感じのこの頃です。

でも、お蔭さまで元気にしております。
モンマルトルの生地屋さん界で見つけた布をクリスマスだから、ってクロスにしました。
子猿が喜ぶかと思ったのに、見事にスルー。男子ママの哀しみね。

ブログを書けなかった理由の一つが、読書です。山田太一にハマっていました。
この本もよかったです。ホームドラマは好みではないのですが、私が体験した80年代の東京が見事に映し出されています。
山田太一を読んでいると、日本では勉強は学歴を得ることが目的、そういう価値観だったなぁ、ってしみじみ。
自分の青春時代は良かったと思っているけれど、学ぶ喜びがなかったことは悔やんでいます。

ただ、無目的に過ごした大学4年、最後の「学ぶ機会」にて「テキトー」に選択したインド近代史のクラスはよかったな。教授がエネルギッシュにインドの問題、日本との関係を講義され、専門外だったのに興味を掻き立てられたことがあります。授業中にアドレナリンが湧いたのはあの時だけ、それも卒業間際だったのが、ホント、残念。

……そういうことからも子猿たちには学ぶ喜びを知ってもらいたいのですが、フランスの学校教育、今のところ感心できません。

例えば掛け算の九九。
私はあれを丸暗記するという学び方がツマンナイと思っている派です。
幼少のころイギリスで掛け算を、その意味やカラクリから学んだあと、日本に帰国した私。
学校で「掛け算知ってる?」と聞かれ、自信を持って頷いたら、「じゃ、サザンは?」「シワ?」と聞かれで目が点になってたら、「なんだ全然知らないんジャン」と決め付けられた恨みがあるのです。

でもフランスも同じだったのですョ。九九ほどのゴロはなくても似た感じで丸暗記なの。

その他、地理でも文法でも何でも、先生が書き取らせたフレーズをそのまんま書かないと正解にならない。同じ意味でも言い回しが違うと減点。
こういうのって、子供としてもがっかりしちゃいそうで怖い。
今はとにかく自信をつけてもらいたいし、勉強って面白い、って思ってもらいたいときなので、ちょっと気がかり。

ここで漸く、タイトルに入ります。

土曜日に、パリ16区にある中学・高校公立高、ラフォンテーヌ校で日本語カリキュラムについて説明会がありました。パリ市内でコレ-ジュ(中学)から、学校のカリキュラムの中で日本語を取り扱うのは公立校はここだけです。日本人ママの間ではよく話題に上っています。
昔は、フランスに同化させるために、日本語を教えないという家庭も多かったようですが、最近のトレンドは、日本語文化を継承させたい、という家庭が多いため、私の周囲でもラフォンテーヌの人気がとても高いように感じます。
小学校までは日本語補習校や家で勉強し、中学からはできるなら、ラフォンテーヌ、と言う方が多いのです。(もちろん、違う手段もあります)

ラフォンテーヌでは、日本語を第一外国語として学ぶコースと、第二外国語として学ぶコースがあるとのこと。第一外国語コースは難関とされ、週4時間国語、2時間日本の社会科(日本語による)を教えて下さるそう。この社会も教えるというアプローチがとてもいいな、と思いました。
詳しくはこちらを。

でも、はて、うちの子猿たちは向いているのだろうか。

フランスって、私が思うに、日本ほど塾依存度が高くない分、学校が生徒に課す勉強量が多いと思う。ま、これが本来あるべき姿だと思うのですが。
一昨年、中学生の姪っこを預かったときにビックリしたけれど、日本でいう中2ちゃん、もう年がら年中テストがあって、課題があって、莫大な宿題が出てました。彼女は頑張り屋さんだから、学校から帰ると食事の時間以外は殆ど勉強してました。

ラフォンテーヌも同様にただでさえ勉強量は多い。そして多くの公立校もそうであるように、バカロレアでの実績を上げたいため、成績が悪い生徒はどんどん肩たたきして外に出す、というアグレッシブなところがあるようです。そこにさらに日本語をやる(そしてはっぱかける)ことは可能なのだろうか。

ま、再来年の兄猿の傾向と趣向をみながら決めるとしますか。

ところで、何故、こんな早くから説明会にいったかというと、もしラフォンテーヌに入れたいのなら早めに対策を組んだ方がいいと聞いたからです。入試にあたって、小学校4年までの国語力が要求されるようですよ。

うちの場合は日に日に、夏休みを日本で過ごした効果が消えつつあり、特にちび猿がマズイ感じですね。環境に流されるタイプだから、彼は。


脈絡ない写真をごめんなさい。
昨晩は
玄米とキヌアと白米に昆布を一枚いれて
フランスでこの季節出回る剥き栗(ローストの添え物・詰め物用)を使った
いい加減栗ごはんを炊きました。大変美味しゅうございました。

学ぶ喜びは勉強によって耕された畑にこそ宿るもの。
この遠回しなロジックを子猿たちに叩き込み、とにかく勉強させなくてはならない、至難の業を母猿は成し遂げられるのか。

……あ~あ、前途多難ですヮ。

どうぞ良い一週間を~♪

2013年11月29日金曜日

ちいさな秋たち


ふと立ち止まるともう12月になろうとしている……2013年も旋風のように走り去るのですね。
手遅れにならないうちに、パリの秋をフォトログでお届けします。


今朝、近くのイチョウの樹が切られていました。
運動場を、インドアテニス場にするそう。
兄猿が、「黄色の絨毯がなくなるなんて」
と、とても悲しそうでした。
土曜日は建設反対デモがあるそう。
ワタシも参加するぞ!Manif!Manif!
今月初めにパリ近郊にあるル・コルビジエの家を訪れました
拙宅はル・コルビジエの弟子が設計した建物で、このらせん階段など、
共通する部分がたくさんありました。
コルビジエの庭の近く。
Poissy、いい街だったな。
秋といえばクルミ。秋といえば食欲。
クルミをたくさんいれ、バターとお砂糖とクリームで作ったキャラメルで
超メタボなクルミパイを作った、とある土曜日
翌、日曜日はイングリッシュ・ブレックファストまで食べ……
クルミパイの時に解明された、「なぜ私のリンゴタルトは締りがないか」の答え。
オーブンの下火が超弱かったのでした。
今回は普通に焼いて、終わりの方で下火だけで10分焼いたら
結構いい線いきました!
パイ生地の下と林檎の上にバターとお砂糖たくさん掛け、
激しくメタボなタルトとなり……


花の写真も載せたかったけれど、何故かアップロードできません。
ま、花より団子なのがワタシらしくもあり。

パリの秋は日中も霧が掛かっているような薄暗さ。
夕暮れも早くって、窓からオレンジ色の灯りが点くとホッとする。どんな部屋なんだろう、どんな人が住んでいるんだろう、って想像しながらの散歩。

そんな秋が大好きだけど、今週末からは12月、本格的に冬支度しなくっちゃ。
みなさまもどうぞご自愛くださいね♪


今回は子育ての掟その2です。
お時間あるときにでもご笑読くださいな。


2013年11月26日火曜日

やっと書ける~! ということで山田太一を読みました

ご無沙汰してしまいました。
ずっとずっとブログ書きたいと思いながら、気持ちが別のことに取られたり、ゆっくり座って書く時間が取れなかったり。
ブログ書くことが日々の平衡感覚を保つ潤滑油のところがある私にとって、これは不健康なこと、よくないな、よくないな、と思いながら2週間近くが経ってしまいました。

ことのはじめはアパートのリフォーム、ペンキ塗りです。
5月くらいから「少しずつ、少しずつ」と心に決め挑んできましたが、年末という区切りを前にして、全部やっつけちゃいたくなったのがよくなかった。時間も体力も取られますし、早く終わらせたい、という焦燥感も良くなかった。少しずつ、疲れが溜まってました、この何週間かは。

そんなこんなのこの週末はしわ寄せから何もする気が起きなくて超ダラダラ。

そして久しぶりに小説を読みたくなってゴロゴロしながら2冊ほど読みました。両方とも初めての作家です。

一冊目は海堂尊氏の本。読み易かったけれど、う~ん、なんというかですねぇ、えー、スピード感を楽しみました。
気になってしまったのが誤字……。宝島社って結構大手じゃないの? 節穴の私でも誤字が2ヵ所見つかりました。これじゃ作家さんも読者もかわいそう……。
校正って本の品格にとって大切だな、って思いました。今後電子ブックなどで自己出版が増えてくると、ここら辺のクォリティーコントロールも甘くなってきそう。そしてそれに慣れてきてしまうのでしょうかね、私たち。

……二冊目は「異人たちとの夏」。
これはすごく良かった。名前だけ知っているけれど読むのは初めての、山田太一氏が書いた小説です。

日本語補習校の図書館で、ふと「岸辺のアルバム」というタイトルの本をみて、子供のころ、ドラマ化されたものを午後の再放送で斜め見した記憶が呼び起こされ、そのころの雑多な居間の風景も懐かしくなって手に取ってみたものの、裏表紙を読むと、どう考えても興味持てなさそうなストーリ。確か子供のころも、わからない、つまらない、と思ったような。

それでもこの「岸辺のアルバム」というタイトルが心に残っている。
子供ゴコロに岸辺に佇む家、ちょっと寂しそうで流されそうな不安感があって……という印象だけが残っている。
静かなタイトルだけどこんなにインパクトがあるなんて。ニクイなぁ、山田太一氏。

とにかく、山田太一氏に興味をそそられ、別の本を、と思い手に取ったのがこの「異人たちとの夏」です。
一ページ目から入ってしまいましたょ
もちろん、誤字脱字などありませんし、するするっと引き込む自然な文章、正確な表現、私だったら長くなってしまいそうな背景説明も簡潔なのによくわかる。
そして何より、一行一行に付随してやってくるイメージたち。現代(といっても30年近く前ですが)日本の、なんとも言えない倦怠感、都会的な美的感覚、表面的な豊かさ、もの哀しさ、エトセトラ、エトセトラ。
ノスタルジックな話なんですが、変に作られていない。わざと狙い、みたいな感じが全くない。
もうBravoな作品です。

先日読み終えた、水村美苗氏の「日本語が亡びるとき」で、日本語を亡びさせない手段は教育だ、と。小学校から英語を教える時代というもの結構だけど、国語の授業数が各国の中でも少なすぎる、というのがありました。
私もこの意見に一票!です。
こんなに素晴らしい小説、日本語、日本文学たち。どうかどうか、廃らせないで欲しい。
英語教育もいいけれど、国語をもっとやって欲しい。フランスでは小学校一年生より、毎週詩の暗唱をさせていますが、日本でも、詩や詩のようにきれいな小さな話などを暗唱させるのとか、どうでしょう。

と、ダラダラ書きましたが、あぁ、やっぱりいいな、ブログは。気持ちが落ち着きました。
そしていつも読んでくださってありがとうございますです。


2013年11月12日火曜日

フランス人のこだわり、タルト・オ・ポームとジャガイモのソテー


見てください、この見事なタルトオポーム、林檎のタルト。
先日、義理両親の田舎の別荘にて、叔母のコンスタンスさんが作ったタルトです。

果物のタルトは、こちらフランスでは一番手軽に作られるデザートです。
Feuillettteという、ほらバターが入って何層にもなっている、ミルフィーユなどのあのパイ生地はスーパーで必ず売っています。2€もしません。それにただ果物を乗せ、フランス家庭なら大抵あるオーブンに入れて焼くだけです。

でも、これが難しいの!
生地が生っぽかったり、焦げたり、果物からジュースが流れ出ちゃったり。
生っぽくなるのを防ぐには、焼くときに天板を使わず、網というのでしょうか、グリルというのでしょうか、アレにクッキングシートを敷いて焼くと、下からも水分が蒸発できて、割と上手くいくというのを学び、果物の量を少な目にしたり、と工夫してきました。

でも、このコンスタンスさんは、天板を使ってたし、林檎もこれでもかと言うほど乗せていたのに、生地は全てこんがり、林檎もジューシーなまま。
コツはと聞いても、「バターを生地の下と林檎の上に乗せた」って。これは私もやってるけれどなぁ。
フルーツはたくさん乗せないとダメよ、と言うことでした。
年季の違いでしょうかねぇ。

昨日はコンスタンスさんに刺激され、久しぶりにチャレンジしてみました。
リンゴも今までより多めに乗せ、210℃にしっかり熱くしたオーブンに入れました。
ここまではいい感じでしょう?

でも、出来上がりは、こう。
何か干からびちゃいました。
もうちょっと焼きたい、というところで、子供の日曜学校の時間になってしまったので、オーブンの火を消し、そのまま中で予熱焼き、と思ったのがよくなかったのでしょうかねぇ。
生地はしっかり焼けているものの、林檎のジュースを吸って、なんだか柔らかくって締りがないタルトでした。

最近見えてきたのですが、フランスでは、このリンゴのタルトが上手く焼けるようになると、「オーブンをマスターしたね」という、家庭のシェフとして最高級の賞賛を受け、崇められるようなのです。
道遠し……。

もう一つ、フランス人のこだわる料理は、ソテー・ド・ポンム・ド・テール(長いのでPDTと略されること多いジャガイモ)、ジャガイモのバターソテーです。
これは、ジャガイモを小口に切って、弱火のフライパンにバターをたっぷりとり、ゆっくりゆっくりと火を通していくのです。ローズマリーやタイムを入れると良い香りがします。

私はなぜかこれが上手なようで、先日も気難しい義父から、もしかしたら初めてのお褒めの言葉をいただきました。前も、義母や義理の妹夫婦より、「これぞソテードPDTだ! 外はカリッとしてて、中はギュッと旨みが凝縮していて、見事にコンフィされている!!」と、まるで最高級ワインか何か見たいな褒められ方をされました。
日本人の、白いご飯が上手く炊けるか否か、でヨメとして合格か、失格か、っていうのとちょっと似ている? そんなこと言われても、ちょっと白けてしまうヨメだったりします。

だって、義理の家族と一緒のときは、台所仕事しているという大義名分の中、一人でいられる、というのが心地よく、料理も引き延ばすようにゆっくりとするからソテードPDTなどという、1時間くらい掛かる料理にも気長に付き合っているから、おいしくできるのだと思うのです。

……それにしてもリンゴタルト、悔しいなぁ。
おいしく焼くコツをご存知の方、ぜひコツを教えてくださいまし。
代わりに、餃子を上手く焼く秘訣をお教えしますから。


勿体つけるほどの秘訣ではないのでお教えします。
ズバリ、テフロン加工の利いているフライパンを使うこと。(それだけ?そうです!)

水入れて蒸らす前に、両面をこんがり焼くこと。
それだけです……
今日は紫キャベツとポアロネギ、マッシュルームと牛ひき、生姜で作りました。
そうこうしていたら、あぁ、三連休が終わっちゃいました。
しょうがない、明日からまた頑張りましょうね!

2013年11月8日金曜日

電子ブックについて思うこと

先日、ようやくスマートフォンデビューをしました。出歩くことが少なく、家かオフィスで常時コンピューターの前にいるので、通話以外で使うことなどほとんどないのですが、電子書籍リーダーとしては大活躍中です。

こちらの図書館やブックオフ(があるのですよ、なぜかパリに!)でも見つからなかった夏目漱石の「明暗」、電子書籍の「青空文庫」にあったあった、そして漱石没後70年以上経っているので無料です。

こんな感じです。もっと文字を大きくすることもできますが、これくらいで大丈夫かな。軽くタッチすればページが繰れます。
メトロでも読めるし、夜ベッドで薄明りの中でも画面が明るいので読みやすく、いい感じです。

電子書籍ができて、本の業界はどう変わるか、読み手、書き手の関係が変わっていくのではないか、みんな誰でも書き手の時代になるのではないか、など、将来の書籍業界をイメージしようと試みる人が多くいて、想像力のない私は、そういう方たちの書き物を見かければ読むようにしていますが、正直どれもピンとこない。

まず、よく言われる、紙媒体としての本を愛好し続ける人がいるだろうから、従来の本はなくならないだろう、というの。私は紙の本を愛好していないようで、もし、もっと本のチョイスがあればあっさり電子ブックに乗り移ると思います。
狭いうちで育ち、引っ越しが多かったせいか、とにもかくにも所持品が増えることに警戒してしまうのです。本は一旦持ってしまうと捨てるわけにはいかないからなおのこと困りものですし。

みんな書き手になる時代というのもぴんと来ない。と言うのも私が小説好きで、エッセーやハウツー本にはあまり興味ないからかもしれません。ブログを見るのは好きですが、これはスクリーンで見るのがいい。ブログはリアルタイムなのがいいわけで、本になったものを、たとえ電子版であろうと手に取ろうとは思わないと思う。

装丁などが美しい本は素敵ですが、あぁ、これを所有したい!と思ったことは少ないかも。ただただストーリが良ければ、何か感動が詰まっていれば、それだけでOK.挿絵もいらない。逆に写真などが入っていると邪魔だと思う派です。なので、この青空文庫の簡素なスタイルで文句なし、です。

小説の魅力は、活字を追って頭を白紙にしてその話に入っていくときの、しんとした静かさ。たとえ周りで子猿たちが騒いでいても、ページに入ってしまえば、私は気にならない、子猿たちのことは丸ムシです。

その割には、気も多く、やれお茶飲もう、とか、洗濯が終わったようだから干してこようとか、中断も多くて、この気まぐれさにつきあってくれるんですよね、小説って。

ドラマとかはダメなのです。なぜかというと目、耳が疲れる、煩い、俳優さんたちの顔・恰好に目が行ってしまう、など情報が多すぎる。小説だと自分の都合に併せて想像したり、しなかったりできるからいいのです。

なので、電子書籍ツールとしては、このスマホのように、ただ文字をみ易く配置してあれば十分だと思います。BGM付き、とか、動画入り、とかは結構です。ページを捲るのではなく、スクロール式というのがあるとか、出てくるとか、これもいいかもしれません。
でも私みたいな読者層にはこれ以上使い勝手の良さとかを考えてくれなくてよいと思います。
子猿向けの児童本を自己出版しようと計画中。
表紙の絵を兄猿に依頼したら、こんな波乱万丈な構図が……
一方で、電子書籍業界の人にやって欲しいのは、マーケティングです。
「何か読みたいけど何読んだらいいかわからない」
私の周りの同年代の方たちからよく聞く声です。みんなしょうがないから昔から知っている林真理子とか読んでいる。面白くないと思っているのに読んでたりする。

海外にいると情報量が少ないので、私も図書館にいっては図書館のお姉さんに推薦図書を聞いたり、知人の薦める作家を読んでみたりしながら、「運命の出会い」を探しています。

そこで思うのは佐々木俊尚氏のサイトにあったように、例えば、自分の趣味を代表していると思う小説を2,3冊登録し、それが好きな人が好む本を薦めてくれるサービスがあればいいのに、と思います。アマゾンでも似たようなことをやっていますが、なぜかいつもピンと来ない本を薦めてくる。私がずれているのか、アマゾンのカテゴリー分けが甘いのか。

短い人生、本を読める時間は限られているから、できるだけ良質の、自分にドンピシャリなものだけを読みたい。読んでしまってから「あぁ、時間の無駄遣い……」と思わずに済みたい。
我がままですかね。

私が好きなScribd.comという、活字版Youtubeというのでしょうか、このサイトにて、月9ドル払えばScribdにある有料の本も読み放題というサービスを始めたようです。食べ放題みたい、と一瞬、いいなぁ、と思いましたが、これも何が読みたいか、検索すべき本を知ってて始まるからなぁ。

どんな未来が待っているのでしょう、本愛好家にとっての本環境。

皆さんはどのように本を選んでますか?
電子ブックに対してのぞむこと、ありますか?
ご意見ぜひ聞かせてください。
興味津々です。
もうチューリップが出ていました。サルト地方で採れたそうです。
ちょっと早いけれど、良い週末を~♪

2013年11月4日月曜日

収穫の秋のお裾分け



遅まきながら、Happy Halloween!




週末に子猿たちを田舎より連れ戻してきました。
義理の両親に二週間預かってもらっていたのです。
多少顔に擦り傷等がありましたが、自然の中でいっぱい遊んだ証拠。元気いっぱいでしたので、まずはめでたしめでたし。

いつもだったら私たち親を交えて会話することが多いのですが、この二週間、どうやら子猿たち二人で過ごす時間が多かったようで、二人のダイアローグ(「おい、これってこうだと思うわないか」「うん、ほんとだ」といったたわいないものですが)が増えたのがちょっと笑えて、ちょっとうれしい母猿。

そうそう、そうやって二人で助け合って生きてっておくれ。

このかぼちゃをはじめ、義母のポタジェ(菜園)は秋の風情たっぷりでした。
現物は無理でも雰囲気だけ、お裾分けのフォトログです。
あたらしく買ってもらった子猿用シャリオ(荷台)の中には…
くるみがいっぱい! 一本の樹からの収穫です

普通のサラダが育つには寒い
冬から春にかけてよく食べるマーシュという若葉
この左側の雑草のようなのがマーシュです。
英語ではラムズサラダ、羊のサラダと呼ばれるそう。
癖がなくって味もあまりないけれど、フランス人の間に愛好者多し
セロリの根もりっぱに太りました。
これは千切りにしてサラダにしたり、ゆでてつぶしてピュレにしたり、
ポトフに入れて食べたりします。
セロリらしく癖があって結構好き
ニンジンもたくさん
紫キャベツ。
これで餃子を作ると薄く紫が透けてちょっと面白い。
Rubinetteという品種。カリッと、元気な音がします
これは多分、Val du Loireという品種。
どちらも冷暗所にて保管すれば、初春までは持ちます
そしてかぼちゃ。
フランスのは水気が多く、青臭さがあります。
お菓子には不向きだけど、ポタージュスープとかかな。
1年分はあるよね、これ。
オランジュリーに柑橘の樹も避難をしました
ライムの緑、11月の陽差しを受け輝いていました
今日はこのくらいにしておきましょう。
あっという間に11月。
師走に入るまでのこの1か月はゆっくりゆったりと秋を愛でたいものです。