2011年4月10日日曜日

染み入る音楽

昨夜は、信じられないような素晴らしいコンサートに行きました。
世界的ピアニストのマルタ・アルゲリッチの声かけで実現した震災復興チャリティーコンサートINパリ。収益全額義援金として贈られます。

音 楽音痴の私ですが、彼女のCDで聴いたラフマニノフがあまりに感情的で、そしてそのスピーディーなテンポがまたはやる心って感じで「確かに素晴らしいピア ニストなんだろう」と、いつかライブで聴いてみたいと思ってはいました。でも彼女がすさまじくビッグな人と知って以来、そんなの夢ね、とあっさり諦めてい ました。

それが、昨日パリ左岸のとっても小さな音楽ホールで実現したのです。
他の出演者達も著名な方ばかり。広島からいらした光井安子さんの短くも的確なスピーチにもあったように、今回の震災で、日本って世界から愛されているんだな、って知ることができたことに心慰められた方も多いのではないでしょうか。マルタさんは、震災に対してこんなメッセージを載せてらっしゃいますが、昨夜のコンサートでは一言も話さず、全ては演奏で表現する、そのスタイルもカッコいいと思いました。一方のギトリス氏はおじいさんらしく色々つぶやいていて場を和ませていましたが、時折真面目なことも・・。「この震災は、第三次世界大戦のようなもの。日本だけじゃない、世界が悲しんでいる」という言葉に、本当自然と放射能との大戦だなって。

演奏は・・・、素晴らしいの一言。
ど のピースも素晴らしかった。能との和製オペラ「松風」も良かったし、89歳のギトリス氏のバイオリンもなんとなんとスムースで優しい音を奏でることか。マ ルタとの共演でピアノの横で立って弾く姿が、もうバイオリンと身体が一体化した楽器のようでした。そしてピアノ。連弾の曲目が沢山あって、その4つの手の すさまじい動き方に、感動、感動、感動。あんなに早く、正確に動くなんて、どんなに努力ししてらっしゃるのだろう、こんな音楽を書いた人も凄いし、弾く人 も凄い。とにかく人間の無限大にも感じる可能性に、あぁ、私も頑張らなくちゃ、って思いました。
日本人の音楽家達も素晴らしかったこと。皆さんBravo!そしてありがとう!

コンサートは4時間近く。ライブハウスのような小さな空間で、演奏者も観客も一体となって、日本のことを想う、悲しむ、弔う、祈る、希望を探している、そんなチャリティーイベント。
被災者の方達に聴かせてあげたかった。ごめんなさいね、遠くで見ているだけの私達が慰められてしまって。
このコンサートは録音されて、配信による収益も義援金となるとのことです。4月15日より、Ituneなどでダウンロードできると。「Kokoro Martha Algerich Paris」でサーチすれば出てくると思います。